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1960年代、スコットランド北部の厳しい気候の地に、一台のトレーラーと一家族から出発した共同体が建設された。この寒風の吹きすさぶ、植物の育つ見込みは極めて少ない砂地に、18キロのキャベツや27キロのブロッコリーなど見事な作物が育ち、雪の中でも色とりどりの薔薇が咲き乱れるなど、農業のことを知っている者からすれば奇跡としかいいようのない素晴らしい収穫をあげている。 しかしこの共同体にとって農業は目的ではなくて手段である。それは何より自分自身の心の内に、そしてひいてはこの地球全体に愛と平和と喜びという種子をまくことを目的に、どの宗教、教派にも属さない人々が集まり、神を中心に生活を通して精神的な鍛練を積んでいる、精神的な共同体である。 この共同体の中心的な人物であり創始者のひとりでもあるアイリーン・キャディは、ごく普通の、人並みに欠点もある、内気でまじめな女性であるが、1953年から心の中に神の声―「ガイダンス」を聞くようになる。最初はそれを否定し、女としてごく普通の幸せをつかもうとしていたアイリーンだが、困難で数奇な運命をたどり、ついに否定的な態度を克服して内なる平和を獲得する。 夫ピーターと友人ドロシーと子供たちの5人で始まった共同体に、多くの人が引き寄せられ始め、現在では「神の声」が語った通り、世界中から人々が集まる、労働を主体としたニューエイジの一大中心地となっている。 |
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フィンドホーン共同体の思想は、中心人物アイリーンが受けている神からの「ガイダンス」の内容につきると思います。ガイダンスは抽象的な教えから、生活に密着した具体的な細部にまでわたっています。 フィンドホーンは厳密にキリスト教というわけではありませんが、その内容は、これまで紹介したキリスト教団体・牧師などの思想とあい通じるものがほとんどです。また今後取り上げる予定の「臨死体験」を体験した人々が、「光の存在」から教えられたものとも一致しています。 私たちがこの地上に生きているのは、「学び」のためであること。どんなに無駄なこと、人と比べて損なことと思われることでも、それは私たちが学ぶために神が備えられた配剤であり、全体として無駄なことはひとつもないこと。この世を生きるということすなわち、人生から学ぶのだということ。何を学ぶのか?・・・それは、人を愛すること、許すこと、をです。 現在の宗教の多くが和合というよりは分裂をもたらしています。しかしフィンドホーンの「神」は、他人の生き方、宗教、信条の違いを批判したり変えようとしたりせずに、まず「私自身」の心に平和を築き、まわりの人々を愛せるようになることを教えます。「世界平和の実現はひとりひとりの内から始まります」マザー・テレサが「Love begins at home (愛は家庭から始まる)」と言ったように、平和とは外からではなく、内から築くもの、という思想です。そしてひとりひとりが自分の内面に目を向け、絶え間なく祈り、心に平和を生み出してゆくのです。 さらに、フィンドホーン共同体の経営や、生活の細部にわたって見られるのは、「人は誰でも、より偉大な意志のために個人のエゴを放棄し、将来を案ずることなくただ現在に生きるならば、あらゆる必要は満たされる」という、これもこれまで見てきた 「祈りの実現の法則」です。何事も自分のために求めないことで、すべてのものが与えられるというパラドックスがここにはあります。 |
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@ 『フィンドホーンの花』(原題:Fright into Freedom/アイリーン・キャディ著/山川紘夫・亜希子訳/日本教文社/2039円)↑クリックすると感想文が出ます。(書き下ろし)(1985年版・1988年版) フィンドホーン共同体の中心人物で神からの「ガイダンス」を受けるとされる女性・アイリーンの自叙伝。ごく普通の弱い女性が、神に招かれ、鍛えられ、真の心の自由を得てゆく過程が非常に感動的。ところどころに引用されている神からのガイダンスも、読む人にその時々と状況に応じて何かを教えてくれる、宝石のような言葉と教えに満ちている。 A『フィンドホーン愛の言葉』(/アイリーン・キャディ著/山川紘夫・亜希子訳/日本教文社 //原題:The Living Word/ Eileen Caddy /Findhorn Press)アイリーンが受け取ったとされる「ガイダンス」の言葉を集めた小冊子。ある意味聖書の言葉にも匹敵する「生きた言葉」が詰まっている。どこから読んでもよい。朝、神の前に静まって祈ることの重要性、愛について、神と私たちの関係などについて書かれている。2・3引用すると・・・ It is more blessed to give than to receive/ Therefore give/ And give/ And go on giving / And never count the cost. (受けるよりも、与える方が幸いです。ですから与えなさい。さらに与えなさい。そして与え続け、見返りを求めないようにしなさい)All you need to know is right there inside (あなたが知るべきことの答えは、すべてあなた自身の内にあります)It is useless talking about love/ It has to be lived/ Demonstrated/ Expressed in life and living (愛について語るのは無駄です。愛を生きるべきです。そして毎日の生活の中で示し、表すものです)B 『フィンドホーンの魔法』(ポール・ホーケン著/山川紘夫・亜希子訳/日本教文社/2000円)↑クリックすると感想文が出ます 有機農業ジャーナリストの著者がフィンドホーンの奇跡を耳にして半信半疑で現地へ訪れた際のリポート。妖精や自然の精霊などの話も出てくるため、読者によって向き不向きがありそう。 C『 The Spirit of Findhorn』(Eileen Caddy&Roy McVicar/Findhorn Press)(フィンドホーンの精神・未訳)この本は 2部で構成され、一部はアイリーンの生涯とその中心思想をロイ・マクヴィカーが書き、2部ではアイリーンが綴った「内なる声」が載せられています。『フィンドホーンの花』を読んだ人には一部は冗長な感じですが、2部のガイダンスはやはり読むたびに非常に元気づけられます。「私のやり方は人間のやり方とは違います。だから頭でどうしてだろうかと考えて無駄な時間とエネルギーを使わないようにしなさい」「すべきことは、一日ずつ生きて、計画が現れるのを待つことです」「外から自分に課せられた法や基準というものは、その効力を失っていきます。ニューエイジに生きる者は、法に従うことをやめ、法そのものになることを学ばなければなりません」などなど。 D『 Opening Doors Within』(Eileen Caddy/Findhorn Press)(内なる扉を開く)この本は一日一ページの「ガイダンス」一年分から成り、 1月1日から12月31日まで、毎日一ページずつ読めるようになっています。愛、喜び、平和、感謝、そして和合という、霊的財産について、何度も同じテーマが繰り返されています。それはこの本が頭で理解する知識を得るために読む本ではなく、生きる糧とするための本だからです。「声」は言います。「私は、人生にとって本当に大切なものを、優しく、愛をこめて繰り返しあなたに思い起こさせます。やがてこの教えがあなたの一部となり、心の中にこの教えをもって生活し、行動できるようになるように。」毎日のデボーションにテキストとして使ってもよし、家庭礼拝や朝食の席で毎日交代で読んでもよいでしょう。E『 Choosing to Love:A practical guide for bringing more love into your life』(Eileen Caddy&David Earl Platts,Ph.D./ Findhorn Press)(愛するという選択:あなたの生活にもっと愛をもたらすための実践ガイド)この本は副題の通り、愛することができるようになるための実践ガイドです。許す、安心感を得る、信頼する、率直に心を開く、気づく、受け入れる、自由を得る、行動する、変わる、そして無条件に愛する、という 10章からなっています。思想書というよりは、自己啓発セミナーを本にしたという感じで、チェックリストや自分の内を見つめるための質問事項などがあり、私自身は少し違和感がありました(^^;神のガイダンスが一番よいと思うので。F『 The Dawn of Change』(Eileen Caddy/ Findhorn Press)(変化の始まり)これは内容的には『フィンドホーン愛の言葉』に一番近く、ほとんどが神からの「ガイダンス」で占められています。真の幸福、内なる平安、感謝の心、人間関係、人生の目的、仕事に喜びを見出すこと、人生の困難、本当の健康、新しい人間に生れ変われる事、などがテーマになっています。 G『 God Spoke To Me』(Eileen Caddy/ Findhorn Press)(神が私に語った)これはアイリーンが書いた最初の本です。初めアイリーンは、あまりに個人的な内容のこの本を出版することをためらったのですが、この問題について祈っていたとき「私の子羊たちを飼いなさい」という声が聞こえ、このガイダンスが多くの求める人たちに役に立つものであることがわかったのです。1971年に本の形になりました。内なる神に出会い、信頼することを教える本です。 |
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感想文にたくさん書いちゃったのでなんですけども(^^;。 私はキリスト教徒ですが、多くのキリスト教派ではニューエイジを認めていません。おそらくフィンドホーンも受け入れてないところが多いのではないでしょうか。にも関わらず、アイリーンが聞いた神の声はホンモノだということは、その内容を見て私は直感しています。というのは、アイリーンのように、直接神が語りかけた人々は、カトリックであれプロテスタントであれ、スウェーデンボルグであれ、まったく同じことを言っているからです。むしろそれと違うことを言っているのが、既成の教会であり、人間が会議で生み出した教義と伝統の数々です。教会を全く否定するわけではもちろんありませんが、『フィンドホーンの花』にも書かれていた通り、長いキリスト教の歴史はまさに血なまぐさい人間の争いの歴史であり、あまりに手垢がつき、その教えは真理に対し足かせがかせられています。おそらく何もないところから始めるのが、最も大事な本質だけを残せるということで、神はフィンドホーンを設立されたのではないでしょうか。フィンドホーンは言わば新しい宗教ですが、しかしその教えは太古から神が人間に語っていたものと寸分違わず同じなのです。いつのまに宗教は人々に愛と平和をもたらすどころか分裂と争いをもたらすようになってしまったのか。まだまだ偏見と手垢にまみれている私自身には、フィンドホーンの教えはタイムリーに心に響くものです。 「自分の中が平和であれば、他の人を変えようとはせず、お互いの違いを恐れることはなくなります。私たちの心が完全に平和であるとき、すべての対立は消え、私たちは愛を通して人類を見るようになります。そして、神の目からみればすべてがひとつであると知るでしょう。」 |
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